2012年2月13日 (月)

『ホームグラウンド』制作日記④ 見本が届く

見本が届く。

著者献本は10冊のはずなのだが、3箱も本が届いた。一番小さい箱だけ開いて、どうすればいいのか発行元の本の雑誌社杉江さんにメールする。ほどなく返信があり、残りの100冊にサインをするよう書かれていた。詳しくは大きい箱に指示書が入っているとのこと。箱を開き指示書を読めば、大至急サインをして返送してください、とある。ありがたいことに、「サイン本作成手引き」なる文章も添えられていた。そこには気になる一文が。「もしご用意がありましたら落款など捺される著者さんもいらっしゃいます」と。当然当方はご用意などしていない。

これまで頼まれて(頼んでくれたのかもしれない)何度かサインはしたことがある。フツーに「はらだみずき」と書くだけであった。どうしたものかとしばし考え、やはり「はらだみずき」とフツーに書くことにした。でもそれだけでは味気ないので、ちょっとしたマークを入れることにした。このマークの意味がわかるといいのだが、まあ、それはそれとして……。そして、落款はないので、娘に頼んでハンコを作ってもらった。

サイン本作成手引きには、「サインが終わりましたら同封の半紙を差し込みください。裏うつりしないようにするためです」と書かれていた。なるほどね、と感心する。そして最後に、「それとサイン本1冊は僕の分なので(笑)、杉江由次と名前を入れていただけるとうれしです!」とあった。

指示通りすべての本にサインをすると、もう深夜である。最後に思い出し、杉江さんの名前を書いた。「杉江由次様 営業よろしくお願いします。 はらだみずき」 フフフ、と笑っていると、「あ!」と叫んだ。同封の半紙を差し込むのを忘れ、ハンコがにじんでしまった。一般の読者の方の分でなくてヨカッタと胸をなでおろし、そのまま荷物に入れた。

職業には、いくつかの幸せを感じる瞬間というものがるあるだろう。小説家にとっては、最初に出来上がった見本を手にするときが、そのひとつだと僕は思う。冬の薄日の差す場所で本をめくりながら、ひとり喜びを噛みしめた。

『ホームグラウンド』 2月下旬発売予定。

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2012年2月 7日 (火)

走る。

土曜日は次男(小学5年生)のサッカーの練習試合。久しぶりに観戦したかったので、試合会場までの車だしを引き受ける。試合は、選手たちのエンジンがなかなかかからず、ようやく3本目あたりから動きがよくなった。先日のオリンピック予選のシリア戦ではないが、サッカーは本当にメンタル・スポーツだと感じる。

さて、3月の10キロマラソンに向けて、次男と一緒に走ることにした。まずは無理せず、少しずつ距離を伸ばしていこうと思う。3日連続して走ると、足に疲れが溜まってしまった。同じく10キロマラソンに参加する長男には到底叶わないだろうが、今のところ次男にも負けている。長距離走にはサッカーとは異なるメンタリティーが必要となりそうだ。

気持ちよく走るために、近いうちにランニングシューズを買いに行こうと思う。

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2012年2月 2日 (木)

『ホームグラウンド』制作日記③カバー出来。

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■『ホームグラウンド』はらだみずき著(本の雑誌社)2月下旬発売予定

◆カバーデザイン 岩郷 重力+WONDER WORKZ

◆カバー写真 近藤  篤

◆内容紹介(発売元HPより引用)

『サッカーボーイズ』の著者が描く、ひとつのグラウンドと三代にわたる家族の物語。

サッカーをする場所を探し求める親子。校庭の扉は閉め切られ、公園からも追い立てられたふたりが、偶然たどり着いたのは、緑の芝生がどこまでも続く広場だった。芝生の向こうには、手をふる老人が立っている......。
いったいだれが、なんのために、このグラウンドをつくったのか?

◆ 本の雑誌社最新刊 

以下のサイトにて、立ち読みページ公開中!  サイン本も手に入るらしい……

http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112264.html

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2012年1月25日 (水)

蝋梅(ロウバイ)咲く

一昨日は、東京にも雪が降った。夜、店を出ると、神楽坂はすっかり雪景色になっていた。学生時代から通っていた街だが、初めて目にする街並みのように映った。「もう一軒行きましょうか」と誘われ、気持ちが揺らいだけれど、降る雪のひとひらの大きさを見て、あきらめることにした。酒席では、今もまだ自分は出版の世界で生きているのだと、幸せを感じた。そういう話が聞けて、とてもありがたかった。

少し前、ダービーとクラシコを録画ながら観戦した。ミラン対インテル、そして、レアル対バルサ。インテルの長友を画面で追いつつ、夢心地だった。長友はバランスを取りつつ、自分が危険な選手であることを充分に相手に示していた。左サイドバックから、ポジションをひとつ上げても、しっかりと役目を果たしていた。ダービーと騒ぐだけのことはある、とても緊張感のあるゲームだった。イブラヒモビッチの仕草が、どこかカントナに似てきたような気がした。

今週末は、友人に誘われサッカーの試合。一応芝のグラウンド。やっぱりフルコートに今も惹かれる。長男と一緒に参加することにした。3月には10キロマラソンにも参加予定なので、少し走り込みたいところだが、まだまだエンジンがかからない。それまでに体重を5キロは減らしたい。

気がつくと、蝋梅(ロウバイ)が黄色い花をつけていた。先日、「日が少し長くなってきたよ」と下の息子に言われた。子供は敏感だな、と感じた。大寒を過ぎ、季節は確実に春へと近づいているのですね。

蝋梅(ロウバイ)はコチラ ↓

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2012年1月21日 (土)

打合せ、など

年の初めということもあるのか、今月は打合せがいくつか入っている。出版社の編集者との打合せ、春にある講演会の打合せ等々。

出版社の編集者との打合せというのは、主にふた通りあるような気がする。昼間の打合せと、夜の打合せだ。時間で分けるのもおかしな話だが、昼はお酒が入らず、夜はお酒が入る。もちろん例外もあって、昼にお酒が入る場合もごくまれにある(僕の場合です)。

先日、ある編集者から打合せについて連絡があった。そのメールには、仕事の打合せをすませたあとに、お食事(つまりはお酒も入るわけですね)に行きましょう、と書いてあった。なかなか気の利いた話だと思った。飲んでばかりで、仕事の話がいっこうに進まない場合も、多々あるわけで。このメールをくれたのは、男性か、あるいは女性か?  想像してほしい。

しかし、ふと考えてみると、それはなんらかのリスクを察知して、そのような展開を考えたようにも思える。そうなのだ。仕事の話がいっこうに進まないのは、当然編集者だけのせいではない。

来週も一件、打合せがある。先方はひとりかと思いきや、何人かでいらっしゃるそうなので、僕としては、草サッカーの試合のように助っ人でも呼びたい気分だ。まあ、それは冗談として、春に予定されている講演会については、先日その会場に案内されたのだが、すかさず助っ人の招聘を先方に打診した次第だ。約1時間半も、この場所に一人立ち、なにかを話すのは、少々気が重いと思った。まだ、どうなるかわからないけれど、そのほうが来ていただく人にとっても、僕にとっても楽しめるような気がしている。

この土日はあいにくの天気らしいので、原稿に向かう予定です。

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2012年1月18日 (水)

17年

すでに昨日となってしまったけれど、阪神大震災から17年。震災のあった当時、僕は出版社の営業マンだった。震災後、どれくらい経っていたのか記憶は曖昧だが、JRも阪急電車も不通となったなかを、途中バスに乗り換え、神戸三ノ宮へ向かった。粉塵がひどくて、道行く人はみんなマスクをつけて歩いていた。三ノ宮へは出張で何度か訪れていたので、その地に立ったとき、呆然としたのを覚えている。書店はすでに営業を再開していたが、震災で被害を受けた書棚の上段を切り落として使っていた。

その後も三ノ宮へは足を運んだ。長い時間かかったものの、着実に活気を取りもどしていく街を見つめながら、人間ってすごいなと思った。

昨年の東日本大震災が起きたときは、ボランティア・バスに乗って東北へ向かおうと調べていると、「おれが行ってくるよ」と長男に言われた。一緒には行きたくない、というので、それではと送り出すことにした。前日までに、ヘルメットやら軍手やら、そのほか必要なものを買ってきて、自分で用意していた。だれかと連れ立っていくわけではなく、とにかくひとりで行きたかったようだ。なにか思うところがあったのかもしれない。石巻での作業では、錆びた釘を踏んで足を痛めたらしいが、元気に帰ってきた。

そのときに見ておかなければ、自分の一部としての記憶に残せない風景というものがあるのだと思う。

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2012年1月12日 (木)

『サッカーを愛して止まないあの人のゆめのはなし』はらだみずきの巻

午前中、原稿に向かう。午後から髪を切りにいつもの店へ。平日であり、電話を入れてから行くので、待つこともなくありがたい。そういえば、僕が昔勤めていた銀座の会社の上司は、仕事中に行方をくらますと、さっぱりとした顔で散髪から帰ってきたものだ。とてもうらやましく思い、いつかやってやろうと思っていた(若造のくせにその後実際に何度かやった)。その上司に、「やってやれ!」と言われて、その通りに仕事をこなすと、ほかの部署からクレームが入り、「なんでそこまでやるんだ」と眉間にしわを寄せて怒られたことがあったっけ……。時代小説が好きな不思議な人だった。何年か前に亡くなったと人づてに聞きました。

さて、午後からは、仕事場に置いてある水槽の水換えをする。小説の登場人物が熱帯魚を飼っているので、、僕もそれに倣った。この時季の水換えは、温度調節が必要になるからひと苦労。お湯を沸かして、水をつくる。友人からもらった水槽が水漏れを起こしたことを以前このブログで書いたが、修理をして見事なおりました。夕飯は、トビウオとワラサの刺身。蕪(カブ)と油揚げのおひたし。おいしくいただきました。

明日は、東京で打ち合わせの予定です。

WEBマガジンの『サッカーを愛して止まないあの人のゆめのはなし』というコーナーに、はらだみずきの取材記事が掲載されました。

こちらは、記事の紹介ブログ ↓

http://www.blog-surugabank.jp/surugabank/blog/2012/01/dream82.html

こちらが本編です ↓

http://www.idream-jp.com/#/1201/dream/082/0/

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2012年1月 9日 (月)

初蹴りのち、高校サッカー選手権を観る

今日は、今年になって初めての試合。チームでの初蹴りである。年末からの風邪が長引いていたので迷ったけれど、せっかくの芝生のグラウンドということもあり、参加することに。正月休みでなまったからだは、体重もかなり増えてしまった。ピッチに立つのは久しぶりということもあり、不安もあったのだが、いざグラウンドに着くと、体がうずうずして早めにアップを始める。この年になると、変わらず走れることにさえ、幸せを感じる。

さて、試合のほうは、自らフォワードを志願するも、最初のハーフは不発。次のハーフはサイドバックで出場し、オーバーラップするものの、今ひとつパッとしない。そして、いよいよ最後のゲーム。もう一度フォワードを志願すると、試合開始早々にサイドから絶妙のボールが! 自分なりにダッシュして、センターバックの前でボールをトラップすると、迷わず左足でシュート! ゴール左隅に決めることができた。ちょっとできすぎのゴールでした。こういうことがあるから、サッカーはやめられない。新年早々にゴールを決めることができ、よいスタートを切れました。

試合後、急いで帰宅し、選手権の決勝戦をテレビ観戦。後半、ロスタイムでの同点弾。冬の国立競技場は、今日も劇的な展開だった。アマチュアである高校サッカーや高校野球に人々が魅了されるのは、この思いがけないドラマにあるはずだ。なぜ、こんなにも劇的なのか考えると、同じ高校生同士、負けられないという思いも強いだろう。そして、やはりそこには、最後まであきらめない、という気持ちがあるからだと感じる。しかし、それは、大人たちから「最後まであきらめるな!」と叱咤されるからではなく、そもそも彼らが、そういう純粋な気持ちを失っていないのではないかと、僕は想像する。経験というのは、なにかを得る代わりに、なにかを失うことでもある。そういう意味では、経験に乏しく、未熟である若者だからこそ、できることもあるんじゃないかな。

小学5年生の息子が帰宅すると、さっそくつかまえて、今日のゴールを自慢する僕であったよ。

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2012年1月 8日 (日)

『ホームグラウンド』制作日記②

今日も選手権をテレビ観戦。イチフナ、強いです。

さて、昨年末、怪しげな荷物が自宅に届いた。包みを開いてみると、なにも印刷されていない白い本が出てきた。妙だな、と思ったわけではない。『ホームグラウンド』のつか見本が届いたのでした。実際に使う紙を使って、本がどんな具合に仕上がるかを確認する見本ですね。本の厚さや質感を確かめることが出来るわけです。本の値段決めの材料にもなります。丁寧な編集者の方は、こういう過程を大切にします。もちろん考え方はいろいろで、造本は編集者や印刷業者に任せるといった場合もあるのでしょうけど。

こんなやつね↓

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年明け2日にゲラが再び届き、もう一度読んでいます。念校というやつですね。そして、昨日、いよいよカバーのラフ案がPDFファイルで送られてきました。便利な時代になったものです。あくまでラフなので、意見がほしいとのこと。編集者とのこういうやりとりは、とても大切な気がします。メールだと、なかなか伝わりにくいこともあるので、電話でお互いの意見交換をしました。基本的には、とてもいい感じで進んでいます。帯については、再検討することに。

パソコンで開くと、こんな感じね ↓

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この夜は、『ホームグラウンド』のカバーラフ案をつまみに、ついつい夜遅くまで飲み過ぎてしまいました。本をつくる上で、こういう時間がとても幸せに感じられます。やっぱり、近藤さんの写真がいいんだよなぁ~。この小説のために撮っておいてくれたような気がする、と勝手に独りごちる。

さあ、明日もゲラを読もう!

いや、もう今日になってしまった。

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2012年1月 2日 (月)

初夢

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

今年の初夢は、小説のストーリー展開を練っている、そんな夢でした。この手の夢では、気持ちよく素敵なアイデアが浮かぶものですが、夢から覚めると、内容はきれいさっぱり忘れているものです。だから枕元にノートとペンを用意していたこともあります。それでも夢の途中で強引に起きるほどの意志の強さはなく、その手の夢の記憶に成功した試しがありませんでした。しかし、昨夜はアイデアの一部を忘れずに覚えておくことに、初めて成功しました。すごいじゃないか!

覚醒してすぐにノートに書き付けたわけではありません。なぜそのようなことが可能であったのか。おそらく眠りが浅かったためではないかと思うのですが、今考えてみると、ほとんど起きていたような気がします。それくらい気になっていたのですね。とはいえ、一部でも忘れないでいたことは、幸運でした。

今日は初詣に出かけ、家に帰ると少しばかり庭でボールを蹴りました。正月休みで原稿に向かわないと、夢にまで出てくるので、そろそろ仕事を始めたほうが落ち着く気がしています。

昨年植えた庭の沈丁花のつぼみが、赤く膨らんでいることに気づきました。寒がり屋の僕は、早くも春を待ちわびています。流行の風邪は長引きますので、くれぐれもご注意のほど、お体ご自愛くださいませ。

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